不織布とは?
読んで字のごとく「織らない布状のもの」をいいます。
普通布状のものは、織ったり編んだりしてつくりますが、不織布は、繊維を一定方向またはランダムに集積して接着樹脂で化学的に結合させたり、機械的に絡ませたり、熱融着繊維で結合させてつくります。
繊維の紡糸の必要が無いため織物や編み物に比べ低コストでの大量生産が可能です。
不織布の有効性
不織布はポーラス(多孔性)構造となっているため、通気性・吸水性・吸油性・ろ過性に優れ、製造方法によって密度・硬軟・厚み等を自由に変えることができます。
更に原材料、生産工程の使い分けにより、細菌遮蔽性、ろ過性、分離性、拭き取り性、補強性、成形性、緩衝性、導電性、帯電性、柔軟性、耐洗濯性、耐薬品性、樹脂含浸性など、用途や目的にあわせた機能を付加することができます。
また繊維を紡糸する必要が無く、生産性が極めて高いので、織物や編み物に比べ低コストでの大量生産が可能です。
すなわち不織布は、様々なタイプの設計が可能で、応用性が高く、布や紙、皮などの既存の分野の代替品として置き換わるだけでなく、あらゆる分野で新しい独自の用途開発がさらに進められています。
包装・保護
不織布は、細かい繊維の集合体なので弾力性に富み、キズや破損から保護する性質を持ちます。
防音・吸音・防振
不織布は、吸音性に優れ、自動車や掃除機などの吸音材に使われています。また、その構造上振動吸収にも効果的です。
耐熱・耐寒・耐久性
不織布は、寒暖の差による機能変化が小さく、樹脂などに比べ、経年劣化、分解の少ない素材です。
吸水・吸油性
羊毛フェルトは樹脂を使わず素材自体のもつ性質を利用して作られるので、油を使う用途にも樹脂が溶け出さず、材質の変化も少ない。又、毛細化現象により液体などの吸収・保持・伝導性に優れています。
装飾・手芸
軽量で扱いやすく、厚みや硬さ、色を幅広く選べ、切断面もほつれにくいので加工しやすい特徴があります。